投資

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の2023年度の「業務概況書」が発表されました

GPIFの運用実績をはじめとした2023年の「業務概況書」が発表されました。

2023年度の運用収益額はプラス45兆4000億円!

それによると23年度の運用収益はプラス45兆4000億円。収益率は22.67%。超優秀な運用成績ですねぇ。収益の累計はなんと約153兆8000億円に達しています。また、年金積立金全体の実質的な運用利回りは年率4.24%となっており、着実に資産を増やしていっています。

運用資産額は約246兆円!

また運用資産額は2022年度末の約200兆円から2023年度末は約246兆円にまで増加。このお金は将来世代の為に運用されていますので、現在の年金受給額には影響を与えませんが、若い世代の人々の年金制度維持のためには明るい状況になっているといえると思います。

出典:GPIF2023年度業務概況書

運用資産額は2001年度より右肩上がりで増加しています。2020年度にはいわゆる「コロナショック」で10兆円程度、資産を減らしました。この時マスコミはこぞって「年金積立金の運用に失敗」「年金は将来大丈夫なのか?」と不安を煽るような報道をしましたが、2021年度には100兆円程度にまでV字回復。この時はマスコミはなーんにも報道しなかったので、「運用失敗」という印象が一般の方には残ったままになっており、ひいては「年金不安」につながっているのではないか、と思います。

またこの運用実績のグラフは「長期分散投資」の最高のお手本だと思います。いわゆる「暴落相場」で市場全体が急落しても慌てて売りに走ることなく、長い目で市場の回復を信じて投資を淡々と続けることの大切さがよくわかりますね。

相場ですから、将来暴落は必ずおこります。年金積立金も一時的に減少する可能性は十分にあると思いますが、短期的な値動きに一喜一憂するすることなく、市場に居続けることの大事さは、一般投資家もなんら変わるところはありません。

次回はGPIFのポートフォリオや投資銘柄についてお話ししたいと思います

GPIFが年金積立金の運用状況の速報を発表。そもそも「年金積立金」って何?年金の財源ってどうなってるの?

年金積立金額は現在219兆円

8月にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)から年金積立金の2023年度第一四半期(2023年4月~6月)の運用結果を発表しました。それによりますと、この3か月間の収益率は9.49%、収益額が+18兆9,834億円との事。累計の資産額が219兆1,736億円に達していることがわかりました。

運用利率9%越えというのは、なかなかの実績だと思います。累計資産額が219兆円を超えていることも、日本の年金財政にとっては明るい出来事と言えるのではないでしょうか。GPIFの資産運用がうまくいっていると言っていいと考えます。

年金積立金とは?

そもそも、年金積立金とは何なのでしょうか?日本の年金の財源は「年金保険料」「国庫負担(税金)」からなっています。そしてその年に年金として支払われることのなかった「保険料」の余剰金が、将来世代のために「年金積立金」として積み立てられ、運用されているのです。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による年金積立金の説明
    出典:GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)HP

年金積立金の占める割合は年金財源全体の「1割」

日本の年金の財源は国民(被保険者)が支払う「年金保険料」と「国庫負担金(税金)」になります。年金の支払いに充当されなかった「年金保険料」は将来世代のために積み立てられて、運用されています。これが「年金積立金」です。

年金積立金は、物価上昇率や賃金上昇率にも左右されない年金財源の安定化のため、年金財源の1割ほどに充当されています。2020年度の年金給付額は約56兆円になりますので、6兆円弱が年金積立金から使用された計算になります。

長期分散投資のお手本のような運用実績

さて、2001年から2023年までのGPIFの年金積立金の運用実績を見てみましょう

出典:GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)HP

2008年から2009年にかけての「リーマンショック」や2020年の「コロナショック」の時にはさすがに資産を減らしてはいますが、そこを過ぎれば長期的に見て右肩上がりのグラフとなっています。まさに長期投資の典型的な成功例であると言えるのではないでしょうか。マスメディアは大きく減ったときには「年金積立金の運用に失敗した。日本の年金は大丈夫なのか」と大騒ぎしましたが、その後著しく回復していることにはほとんど触れていません。こういったニュースしか見聞きしていない人々は年金に対して不安感を持ったとしても当たり前ですよね・・・。

またGPIFのホームページには「基本ポートフォリオの考え方」という項目もあり、2020年度以降現在までは国内株式、外国株式、国内債券、外国債券にそれぞれ25%づつ投資して運用する、としています。完全に1/4づつ4つの資産に分散しているわけで、われわれ個人投資家と同じような考え方で運用を行っています。

ちなみに2019年度までのポートフォリオは国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%だったようです。「年金財政上必要な利回りを満たしつつ、最もリスクの小さいポートフォリオを選定した結果、以下のような基本ポートフォリオとしました(※GPIF HPより引用)」 とのコメントが掲載されていました。

また分散投資については

  • 1位になる資産は当てられない→だから4資産に分散して投資を行う
  • 卵を一つのかごに盛るな→有名なことわざをここでも見る事ができました

といった記載も見つけることができました。

以上のようにGPIFのホームページには個人投資家にとっても非常に参考になる示唆や記事があふれていると感じました。運用方針もまさに「長期分散投資」のお手本を見るようです。

ぜひ投資初心者の方々や投資を始めようと考えている方はGPIFのホームページに一度アクセスしてみては?

新NISAの成長投資枠の対象商品の第一弾941本を発表。つみたて投資枠対象はうち162本。来年からといわず今すぐ「NISA口座」を作るとオトク!

新NISAに関するQ&A集が発表されました

今日、投資信託協会から2024年1月1日から始まる「新NISA」のうち、「成長投資枠」(現NISAで言うところの「一般NISA」)の対象商品を発表しました。

今日発表された商品は941本となっており、最終的には2000本程度まで増えるという事です。

新NISA成長投資枠対象商品リスト

なお今回の発表は投信会社より、6/21までに届け出のあった商品のみ、となっているようで、主なところでは「楽天」の投信はまだ掲載されていないようでした。

まだ「NISA口座」をお持ちでない方で、「新NISAが始まったら口座を作ろう」と考えている方は今すぐ口座開設手続きを始めることをお勧めします。

なぜなら現NISA口座を所持している方は、自動的に「新NISA」の口座は作成されるからです。そして「現NISA」は今年の12月31日まで投資が可能ですが、これは「新NISA」とは全くの別枠扱いとなるからです。「つみたてNISA」であれば今年40万投資すれば、来年から新たに追加で投資はできなくなりますが、今年投資した40万円は20年間非課税で運用ができるのです。つまり「現NISA」40万円+「新NISA」1800万円=1840万円が非課税で運用できる枠となり、来年に入ってから始めるより40万円枠が増えることになります。

手間は同じなので、新NISAから投資を始めようと思っている方は、来年からと言わず今すぐ「NISA」を始めるべきだと思います。

ちなみに40万円を年利3%で20年間運用すると、資産総額は74万円になります。今すぐ作ったほうがいいでしょ?(笑)

2024年から始まる「新NISA」に関するQ&A集が公表されています

新NISAに関するQ&A集が発表されました

2024年から始まる「新NISA」。このブログでも取り上げて来ました。NISAが個人投資家にとって非常にメリットのある制度に代わったことで大変注目されています。ただ「今のNISA」から「新NISA」への移行について「疑問」や「不明点」をお持ちの方も多いと思います。

そんな中、日本証券業協会から「2024 年以降の NISA に関する Q&A」という資料が発表されました。

※現在の一般 NISA 口座・つみたて NISA 口座・ジュニア NISA 口座の上場株式
や株式投資信託等を新NISAに移せるのか?

※現在、証券会社に一般 NISA 口座・つみたて NISA 口座・ジュニア NISA
口座を持っているが、「新NISA 口座」を開設するには新たに手続きが必要か?

※「新NISA」の非課税限度額1800万円に投資額が達した後、一部売却を行えば売却分は再投資ができるのか?

こういった疑問についての答えが書かれています。

「新NISA」への投資をお考えの投資家の皆さんは是非一度目を通してみてください!

当ブログでは皆様からの疑問、質問、ご意見をどしどし募集しています。

下記よりお気軽にお問い合わせください!

つみたて投資で元本が2倍になるまでどのくらいの運用期間が必要?「126の法則」でカンタンに把握できる

これからつみたて投資を始めてみよう、とお考えのあなた。投資元本が2倍になるのにどのくらいの期間が必要だと思いますか?簡単に知ることのできる「法則」があります。それが「126の法則」です。

この法則は慶応大学理工学部教授の 枇々木 規雄氏が「積立投資の複利効果を概算する簡単な計算ルール」というレポートの中で提唱された法則になります。

この「126の法則」は、積立投資や積立預金を行った場合に「積立年数x利率(%)=126」という数式で資産が積立元本の2倍になるまでの積立年数や運用利率を求めることが出来る、というものです。

つまり「年数」を求めたい場合は「126÷利率」という数式で、「運用利率」を求めたい場合は「126÷積立年数」という数式で簡単に求めることができる、という公式になります。

分かり易くするために表にしてみました。

【積立元本が2倍になる「126の法則」の使い方】枇々木 規雄「積立投資の複利効果を概算する簡単な計算ルール」より出典

運用利率が3%の場合、元本が2倍になるのは42年後、という意味になります。

毎月2万円ずつの積立を20才から始めた場合、3%の利率で運用すると62歳の時、資産は「2万x12か月x20年=480万円」の元本が2倍の「960万円」になる計算ですね。

この「法則」は下記のようなものもあります。

  • 積立投資の元本が1.5倍になる「76の法則」
  • 積立投資の元本が1.5倍になる「190の法則」

それぞれ上記の表の「126」を「76」や「190」に入れ替えて計算することで、それぞれの運用利率や運用年数を知ることが出来ます。

ここでは詳細は割愛しますが「早見表」をつかって様々な倍率の「法則」を導き出すことが可能です。

セカンドライフの資産運用の見通しを判断するために、是非覚えておいてください。

2024年からNISAが大きく変わるけど・・・NISAは今始めるべき?それとも2024年まで待つのがいい?結論は・・・

前回、2024年から始まる「新NISA」についてその改正のポイントをお話しました。
そこでこれからNISAを始めようと考えている方から質問を受けたのです。
「NISAは今すぐ始めたほうがいいの?それとも来年、新NISAが始まるまで待ったほうがいいのかしら?」

私の答えは・・・・
「今すぐ始めるべき!」です。

今すぐ始めるべき「理由」

その理由は
「現行のNISAで運用する額は、新NISAの上限額とは別枠だから」ということです。

現行の「つみたてNISA」の年間投資額の枠は40万円まで。「一般NISA」は120万円までです。
今年つみたてNISAを始めたとすると、現在のNISAで投資を行えるのは今年の12月までとなり、24年1月以降は株や投資信託を購入することは出来なくなります。
但し、これは新たに購入することが出来なくなるだけで非課税での運用自体は「一般NISA」は最大120万円を5年間、「つみたてNISA」は最大40万円を20年間続ける事ができます。

つまり今すぐNISAでの投資を始めれば、新NISAの生涯投資上限額1800万円とは別に40万円または120万円を「現行NISA」で運用出来る事になります。

40万円を年率3%で運用できれば20年後には72万8000円になる計算です。実に80%増です。
おまけに利益32万8000円には税金がかかりません。

今すぐ始めたほうが良い、と思いませんか?

新NISAって何が変わるの?カンタンな言葉でザックリ説明します

年末に発表された自民党の「税制改正大綱」に、NISAの大きな制度変更が盛り込まれ話題になっています。
たくさんの記事を新聞やテレビ、ネットで見ることができますが、専門用語も多く「イマイチよくわからない」という方も多いかと思います。
そこで、このブログではざっくりと今回の変更の概要を、極力「専門用語」を排し、皆様にお伝えしようと思います。

そもそもNISAってなんだっけ?

NISA(にーさ)ってそもそもどういう制度なんでしょう?
一言で言うと「株式投資や投資信託で儲けた利益に税金がかからない口座」ということになりますかね。
通常は儲けに対して約20%の税金がかかります。100万円株で儲かっても20万円所得税がかかり手取りは差し引き80万円、といった感じです。
でもNISA口座で株を購入すれば、100万円の儲けにかかる税金はゼロ。100万円がそのまま手元に残る、というわけです。
こんな結構な制度ですので、それなりに色々制限が設けられています。
今回の改正でこの「制限」が大幅に緩和された、ということになっています。

1年間の投資限度額が「最大120万円→最大360万円」に

改正点その1
<1年間の投資限度額が「最大120万円→最大360万円」>
NISAは年間の投資額に上限が定められています。
改正前は年間最大120万円まで(一般NISA口座)でしたが、今回の改正で
3倍の360万円になりました。※この金額は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の合算額ですが、ここでは詳しい説明は省きます。

非課税期間「20年→無期限」に

NISA口座での株による利益に税金がかからない期間はいままでは最長20年と定められていました。
今回の改正でこの「期限」が」撤廃されNISA口座で運用できる期間が「無期限」となったのです。

非課税で生涯保有出来る限度額が「1800万円」と新たに定められた

改正点その3
<非課税で生涯保有出来る限度額が「1800万円」と新たに定められた>
新NISAでは生涯、利益を非課税で運用できる限度額が1800万円と定められました。この金額hが「元本の額(購入額)」となり、利益を含んだ「保有額」ではありません。
また、この限度額は保有資産を「売却」した場合は、その売却分を新たに1800万まで購入することが可能です。
【例】1800万に達した状態で保有額100万円の株式を売却(内訳:元本80万・利益20万)→新たに80万円の株式の購入が可能

このように新NISAは積立投資を行う個人投資家にとって、非常にメリットのある制度改正となっています。
現在NISA口座を利用している人はもちろん、これから積立投資を考えている方々も是非口座の開設を検討してみてはいかがでしょうか?
いままでのNISAと比較しても始める価値は大きい、と考えます。
私ももちろん、利用したいと考えています。

「もっと詳しく知りたい!」という方は、是非コメントをいただきたいと思います。
分かりやすく、お返事させていただきます。

今年の積立投資振り返り。1年間の損益はいかに?

今年も残すところあと7日。本年は「ウクライナ侵攻」から始まり、アメリカのITバブルに陰りが見え始め大幅な利上げによる景気の減速、世界的なインフレ等で投資環境はかなり厳しかったような気がします。最後の最後で日銀の金融緩和の転換まで行われ、急激な円高に現在は見舞われています。

私の保持する投資信託も、年初から比べると損益はプラス110万円からプラス80万円まで減少。30万円儲けが吹っ飛びました。ここ数年は前年の儲けを常に上回っていただけに、積立投資開始以来初めての経験です。

では、投資を辞めてしまうのか?

その選択肢はありません。

我々個人投資家の最大の武器は「長い時間」をかけて投資ができる事です。機関投資家(いわゆるプロのトレーダー)は大体3か月ごとに投資成績を評価されますので短期的な売り買いを繰り返して預かっている資産を何とか増やそうとします。この土俵に我々一般投資家(アマチュア)が乗ったところで勝負は見えています。

世界経済は年間で3%の割合で成長していくといわれています。今年は厳しい環境でしたが、人間が経済活動を持続する限りこの状況が永遠に続くことはありません。一般投資家は粛々と投資を続けていくべきなのです。

私も来年がいい年になると信じて、積立を続けていきます。 

今日の投資信託の動きは?(22/5/06)

投資信託時価評価額:2,697,591円

評価損益:+977,590円(+56.84%)

前日比:+9,233円

日本はゴールデンウィークで市場はお休みですがニューヨーク市場は激しく動いています。

一昨日は「今年最大の上げ幅」を記録したと思ったら、昨日は一時1300ドル下げ「2020年以来の下げ幅」となりました。

短期投資家は胃が痛くなりそうですね。

長期投資家としては市場の動きは見つつ淡々と積立を続けるのみ、ですね。

今日の投資信託の動きは?(22/4/21)

投資信託時価評価額:2,840,359円

評価損益:+1,120,358円(+65.14%)

前日比:-20,868円

今日のNYダウは240ドルの値上がり。

日経平均も340円プラス。

なのに投信評価額はマイナス20000円。

何故だ?(笑)