2023年 9月 の投稿一覧

同じ会社に60才以降も継続雇用される場合、利用可能な社会保険の「60才以上の特例」って知っていますか?

社会保険の60歳以上の特例

定年後、同じ会社に継続して再雇用される場合、健康保険が定年前の保険資格が自動的に継続されます。特に手続きは不要で、健康保険証もそのまま使用できます。
何もすることは無く、大変ラクなのですが、ひとつ注意すべき点があります。
それは「給与が下がっても保険料はそのまま」ということです。
なお、標準報酬月額が2等級以上下がった場合は下がってから4か月後に保険料が見直されます。ただ保険料は「後払い」のため、実際に下がった保険料が適用されるのは4か月+1か月=5か月後となるのです。

継続雇用後の給与は現役時代の平均70%程度、と言われており、多くの人が「2等級以上」下がることになると考えられます。3割も収入が落ちるのに4か月間は現役並みの保険料を支払わねばならないのは、結構きついですよね・・・

ここで「60歳以上の特例」の登場です。
この特例は60歳以降継続雇用で働く場合、現在の保険資格を「継続」するのではなく、「新たに保険資格を取りなおすことが出来る」というものです。
資格の切り替えは誕生日を境に行われるため、誕生日の前日までが「古い保険証」、誕生日から「新しい保険証」に切り替わります。
保険資格の喪失と取得を同じ日に行うため「同日得喪」と呼ばれているものです。
誕生日から保険資格が切り替わるため、継続雇用後給与が1等級でも下がった場合、すぐに保険料が下がることになります。

ただデメリットもあります。
一つは新しい保険証が届くまで1~2週間かかること。この間病院に罹る場合はいったん全額負担となり、保険証到着後7割が払い戻しという形になります。
もう一つは扶養家族がいる場合、再度扶養申請を行う必要があることです。
給与が下がるため、扶養家族の収入によっては扶養が認められない可能性があります。
ご自身や家族の状況を確認し、判断する必要がありますね。

GPIFが年金積立金の運用状況の速報を発表。そもそも「年金積立金」って何?年金の財源ってどうなってるの?

年金積立金額は現在219兆円

8月にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)から年金積立金の2023年度第一四半期(2023年4月~6月)の運用結果を発表しました。それによりますと、この3か月間の収益率は9.49%、収益額が+18兆9,834億円との事。累計の資産額が219兆1,736億円に達していることがわかりました。

運用利率9%越えというのは、なかなかの実績だと思います。累計資産額が219兆円を超えていることも、日本の年金財政にとっては明るい出来事と言えるのではないでしょうか。GPIFの資産運用がうまくいっていると言っていいと考えます。

年金積立金とは?

そもそも、年金積立金とは何なのでしょうか?日本の年金の財源は「年金保険料」「国庫負担(税金)」からなっています。そしてその年に年金として支払われることのなかった「保険料」の余剰金が、将来世代のために「年金積立金」として積み立てられ、運用されているのです。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による年金積立金の説明
    出典:GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)HP

年金積立金の占める割合は年金財源全体の「1割」

日本の年金の財源は国民(被保険者)が支払う「年金保険料」と「国庫負担金(税金)」になります。年金の支払いに充当されなかった「年金保険料」は将来世代のために積み立てられて、運用されています。これが「年金積立金」です。

年金積立金は、物価上昇率や賃金上昇率にも左右されない年金財源の安定化のため、年金財源の1割ほどに充当されています。2020年度の年金給付額は約56兆円になりますので、6兆円弱が年金積立金から使用された計算になります。

長期分散投資のお手本のような運用実績

さて、2001年から2023年までのGPIFの年金積立金の運用実績を見てみましょう

出典:GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)HP

2008年から2009年にかけての「リーマンショック」や2020年の「コロナショック」の時にはさすがに資産を減らしてはいますが、そこを過ぎれば長期的に見て右肩上がりのグラフとなっています。まさに長期投資の典型的な成功例であると言えるのではないでしょうか。マスメディアは大きく減ったときには「年金積立金の運用に失敗した。日本の年金は大丈夫なのか」と大騒ぎしましたが、その後著しく回復していることにはほとんど触れていません。こういったニュースしか見聞きしていない人々は年金に対して不安感を持ったとしても当たり前ですよね・・・。

またGPIFのホームページには「基本ポートフォリオの考え方」という項目もあり、2020年度以降現在までは国内株式、外国株式、国内債券、外国債券にそれぞれ25%づつ投資して運用する、としています。完全に1/4づつ4つの資産に分散しているわけで、われわれ個人投資家と同じような考え方で運用を行っています。

ちなみに2019年度までのポートフォリオは国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%だったようです。「年金財政上必要な利回りを満たしつつ、最もリスクの小さいポートフォリオを選定した結果、以下のような基本ポートフォリオとしました(※GPIF HPより引用)」 とのコメントが掲載されていました。

また分散投資については

  • 1位になる資産は当てられない→だから4資産に分散して投資を行う
  • 卵を一つのかごに盛るな→有名なことわざをここでも見る事ができました

といった記載も見つけることができました。

以上のようにGPIFのホームページには個人投資家にとっても非常に参考になる示唆や記事があふれていると感じました。運用方針もまさに「長期分散投資」のお手本を見るようです。

ぜひ投資初心者の方々や投資を始めようと考えている方はGPIFのホームページに一度アクセスしてみては?

あなたは退職金がいくらもらえるか知っていますか?正確な金額を把握することがとても重要

突然ですが、あなたは自分の退職金がいくらなのか知っていますか?

フィデリティ退職・投資教育研究所作成の「高齢者の金融リテラシー調査2019」によると、「退職金額は7割の人が会社からの通知で知り、その半数近くが退職直前に知った」との調査結果が出ています。

退職時の自分の「資産額」を正確に把握することは、60代以降のライフプランを考えていく上でとても重要です。60歳時点で自分がいくら資産(現預金)を持っているのか分からなければ、ライフプランシュミレーションの作りようがありません。「お金の見える化」が実現できないことになります。

自分の退職金を正確に知ろう!

「退職金がいくらもらえるのかわからない」とういう皆さん、まずは自分で調べてましょう!調べる方法は以下の通りです。

1、総務部に聞く!

まあ、当たり前っちゃあ当たり前なんですが・・・これができてないから70%の人が自分の退職金額を知らないわけです。「僕の退職金はいくらですか?、なんて聞きづらいよなあ」なんてみなさん思ってるんでしょうか・・・

退職金は「報奨金」ではありません!「給与の後払い」です!ですから堂々と聞いてもらって何ら問題はありません。

2、自分で計算する

これも以外と簡単です。

退職金の計算方法は会社によって若干の違いはあるかもしれませんが、概ね下記のようなモノです

【退職金基礎給x支給率+特別加算or減算=退職金額】

   ※退職金基礎給→年に一度「賃金辞令」等で確認できる

   ※支給月数→勤続年数によって変わる。通常「就業規則」に記載されている 

私もこの方法で自分の退職金を計算しました。今は社内のイントラネットに就業規則等を閲覧できる企業も多くなっていると思いますので、この方法なら誰にも尋ねることなく調べることができます。

退職金額を知ることが「リタイアメントプランニング(老後の生活設計)」を考える第一歩になります。ぜひやってみてください。