相続対策のひとつとして「預金口座を事前に減らしておく」というものがあります。
どういったメリット・デメリットがあるのでしょうか?
銀行口座を減らしておく3つのメリット
3つのメリット
1、生前の財産管理が容易になる
銀行口座を複数所持していると、財産の全体像を把握しづらくなります。
私自身も銀行口座は主なものだけでも3口座ありますが、家計簿アプリを使うようになったここ1,2年は全体の資産を把握することが出来るようになりましたが、特に高齢者にとって資産の全体像を把握するのは結構な負担になると思われます(アプリ等も使いこなせない可能性が高いですし・・・)
またもし認知症になってしまったらより困難になりますので、そうなる前に口座の整理をしておくほうが良いのではないでしょうか?
またこれからの時代、通帳を発行しない口座が増えてくることも予想されます。
口座数は最小限にしたほうが合理的かもしれません。
ちなみにみずほ銀行は通帳を発行するのに1100円の手数料が請求されます
2,遺言が書きやすくなり、遺産分割がしやすい
「長男にはA銀行の預金を、次男にはB銀行の預金を、長女にはC銀行の預金をそれぞれ相続させる」とする遺言を作成すれば遺産相続がスムーズです。
口座数を相続人の数と一致させる、という生前の準備が必要ですね。
遺言作成後、相続額を変更する場合でも各口座間で振込を行い、預金額を調整すればいいだけです。そういう意図があることも遺言に記載しておけばよりベターです。
3,相続発生後の手続きが楽になる
口座の解約は本人が生前行うほうが簡単です。
相続発生後の口座解約や名義変更は相続人が口座のある支店まで出向かねばならず、かなり煩雑な手続きが必要です。相続税の申告期限である、「相続発生から10か月以内」に手続きを終わらせる必要が出てきます。
生前に口座を整理しておけば、こういった手続きを少しでも減らすことができます。
デメリットとその対策
デメリット
1,ペイオフの問題
銀行が破綻した場合、保証される金額は普通預金、定期預金涛合わせて1000万円まで、という制度があります。いわゆる「ペイオフ」です。
資産家の中にはこのペイオフを意識して1000万円ごとに口座を複数持っている場合があります。
簡単に言うと1億円の現預金がある人は「ペイオフ」を意識するならば1000円万円x10口座に分ける必要が出てきます。
ただこの「ペイオフ」については一つ裏技があります。
1000万円を超える部分を「決済用預金」として預け入れる方法です。
「決済用預金」は銀行が破綻した場合でも普通預金・定期預金の1000万円とは別にその全額が保護されます。
ただしデメリットもあります。
・利息が付かない
・普通預金や定期預金の残高に応じたサービス(振込手数料無料、ATM利用手数料無料等)が受けられない銀行がある
口座整理と「ペイオフ」については利便性とリスクの兼ね合いをどうとるか、という事になります。個人個人の考え方次第ではありますね
複数口座を整理する順序
複数口座を整理する順序
①まずどの口座を残すかを決定
②残す口座に資金を集約
③残高が無くなった口座は生前に解約
銀行口座の整理、一度検討してみてはいかがでしょうか?