任意加入の申請に区役所に行ってみた

国民年金(基礎年金)の「任意加入制度」とは?

皆さん、国民年金の「任意加入制度」ってご存じですか?

国民年金の加入期間は480ヵ月。つまり40年です。

480ヵ月、年金保険料を払い込めば65歳になったときに年金を満額受け取れます。(令和6年度で年額816,000円)

仮に年金保険料を支払っていない時期がある場合は、未納1ヵ月につき1,700円が減額されることになります。

年金保険料には未払い分を後から支払う「追納」という制度がありますが、10年前までしか遡って支払うことができません。私の妻は20歳から23歳まで未納の期間があったため「追納」することができません。

大学生のころ自分に年金保険料の支払い義務があることなど知らずに20歳になって就職して会社員になるまでの間、年金保険料なんて払ってないよ、なんて人は結構多いんじゃないでしょうか?実は私も学生時代の3年間は年金保険料は未納です。

私も妻も今年60歳になりました。私は継続雇用で今までと同じ会社でサラリーマンとして引き続き働いており厚生年金保険料を今も支払っているので、国民年金の保険料も厚生年金保険料の中から支払っていることになります。したがって、会社員でいる限り国民年金(基礎年金)も満額には近づいていきます。もっともこの場合は国民年金(基礎年金)に加算されるのではなく、厚生年金部分に「経過的加算」として国民年金(基礎年金)の増額分が反映されます。

しかし妻は60歳になった時点で「3号保険者」の資格を失い、いまは年金保険には加入していない状況です。先に書いたように未納時期は30年以上前のため、いまさら「追納」をすることもできません。彼女はこのまま減額された国民年金をうけとるしかないのでしょうか?

ひとつ方法があります。それは国民年金への「任意加入」です。

国民年金の加入者の資格は「自営業者・農林漁業者・アルバイト・無職・学生等々」で「20歳以上60歳未満」と定められています。しかし下記の条件を満たす人は、国民年金に希望して加入することができます。これを「任意加入保険者」といいます。

  • 日本国内に住所のある60歳以上65歳未満の人
  • 海外に在住の20歳以上65歳未満の日本人

妻の今年の「ねんきん定期便」によると年金保険の加入期間は449ヵ月となっており、480ヵ月に31ヵ月足りていないことになります。任意加入をして加入期間を480ヵ月にすれば1700円x31=52,700円年金受取額が増えることになります。10年で527,000円、20年で1,054,000円の増額です。結構バカにならない金額です。

任意加入手続きの実際

というわけで9月某日、区役所の年金窓口に任意加入の手続きに出かけました。

なぜ年金事務所ではなく区役所に行ったかと言うと、「予約が不要だった」から。年金事務所より空いているんじゃないか、という思惑もありました。

持参した書類は以下の3つでした。

  • 年金手帳
  • 本人確認のための書類(マイナンバーカード)
  • 年金保険料を支払う銀行口座の通帳と印鑑

加入者本人である妻に私も同行します。

開庁時間とほぼ同時に窓口へ。予想通り相談者はゼロ。すぐに窓口にとおされました。女性の係の方が一人で対応していただきました。

まずは要件を尋ねられたので「国民年金の任意加入手続きをしたい」旨伝えると、まず年金手帳の提示を求められます。妻は2冊の手帳を持っていましたので、二つの年金番号が統合されているか確認します、ということで彼女は衝立の向こうへ。どうやら年金事務所に電話をかけている様子です。

約10分後、彼女が戻ってきました。間違いなく年金記録は統合されているとのこと。「ねんきん定期便」で確認はしてますが、まあひとまず安心です。

続いて、保険料の納め方についての説明です。令和6年の保険料は月16980円。これを毎月払うか、前納するか(6ヵ月前納、1年前納、2年前納の3パターン)を聞かれます。前納すると少し保険料が割引になるので「2年前納」を選択しました。ちなみに「16590円」の割引でした。引き落としのタイミングは10月に2年分が引き落とされて、令和6年9月から残り分が480ヵ月になるまで毎月引き落とされるとのことでした。

合わせて「付加年金」についても説明されました。付加年金は任意での加入ですが月400円を支払うと200円x加入月数が基礎年金に加算されます。つまり2年年金を受け取れば、元がとれる計算です。こちらにも加入しました。

こんな感じで加入手続き自体は30分程度で終了。結局ほかの相談者はだれも現れませんでした。

窓口の方も親切・スムーズな対応で、区役所で手続したのは正解だったなあ、と感じました。

奥様が3号保険者になっているサラリーマンの方々は、奥様が60歳になると3号保険者資格を失うことを忘れずにいたほうがいいと思います。奥様の年金定期便も目を通して、その時がきたら年金を増やせないか、確認しておきましょう。