2023年 6月 の投稿一覧

新NISAの成長投資枠の対象商品の第一弾941本を発表。つみたて投資枠対象はうち162本。来年からといわず今すぐ「NISA口座」を作るとオトク!

新NISAに関するQ&A集が発表されました

今日、投資信託協会から2024年1月1日から始まる「新NISA」のうち、「成長投資枠」(現NISAで言うところの「一般NISA」)の対象商品を発表しました。

今日発表された商品は941本となっており、最終的には2000本程度まで増えるという事です。

新NISA成長投資枠対象商品リスト

なお今回の発表は投信会社より、6/21までに届け出のあった商品のみ、となっているようで、主なところでは「楽天」の投信はまだ掲載されていないようでした。

まだ「NISA口座」をお持ちでない方で、「新NISAが始まったら口座を作ろう」と考えている方は今すぐ口座開設手続きを始めることをお勧めします。

なぜなら現NISA口座を所持している方は、自動的に「新NISA」の口座は作成されるからです。そして「現NISA」は今年の12月31日まで投資が可能ですが、これは「新NISA」とは全くの別枠扱いとなるからです。「つみたてNISA」であれば今年40万投資すれば、来年から新たに追加で投資はできなくなりますが、今年投資した40万円は20年間非課税で運用ができるのです。つまり「現NISA」40万円+「新NISA」1800万円=1840万円が非課税で運用できる枠となり、来年に入ってから始めるより40万円枠が増えることになります。

手間は同じなので、新NISAから投資を始めようと思っている方は、来年からと言わず今すぐ「NISA」を始めるべきだと思います。

ちなみに40万円を年利3%で20年間運用すると、資産総額は74万円になります。今すぐ作ったほうがいいでしょ?(笑)

60才以降もサラリーマンとして働くと年金はいくら増えるのか?「180万円の法則」でカンタンに分かる!

私事ですが、60才の定年まで1年を切りました。

先日会社の総務部から「あと1年で定年だけど、そのあとどうする?」と継続雇用の意思の確認調査も送られて来ました。

FPとして活動を始める以前は、漠然と「もうサラリーマンはいいや。子供も独立したし、家のローンもないし、アルバイトで週3回くらい働くかんじでいいかなあ」なんて思っていたのですが、FPとして様々なお金に関する知識を得ることが出来ている今は少し考え方が変わっています。

自分自身のライフプランシュミレーションを作成したところ、65歳まで継続雇用で月収20万程度で働くと、66才以降のキャッシュフローがとてもラクになることが分かってきました。

定年後の過ごし方を決めかねている方は、是非FPにご相談されることをお勧めいたします。自分のライフプランが数字で「見える化」されることにより、より前向きに定年後を迎えることが出来ると思いますよ。

定年後の働き方には三つのパターンがある

さて本題に入ります。

定年後の働き方は大きく分けて3パターンです。

一つ目が今働いている会社で引き続き65歳まで雇用してもらう「再雇用」や「継続雇用」と呼ばれる働き方です。

二つ目は今働いている会社は定年で退職し、新たに別会社で働く「再就職」ですね。

三つめは定年後は組織から離れ、自分で個人事業主になったりや法人を設立して働く「起業」があります。

ここでは一番目、二番目の働き方をした場合の年金についてお話をしたいと思います。

年金を増やすには60才以降も「社会保険」に加入することが必須

一番目、二番目の働き方に共通するのは「60才以降も引き続き社会保険料を支払う」というところです。

「国民年金」の加入資格は20才以上60才未満となるため、60才以降も加入することはできません。学生時代に「国民年金保険料を払っていない」という方は大卒で企業に就職したサラリーマンには意外と多いと思います(かくいう私もその一人です)。

国民年金を満額受け取るために必要な「加入期間480か月」に達していない人は「任意加入」という制度があり、60才で会社員を退職すれば65歳までの間に480か月に満たない部分の保険料を納付することが可能で、国民年金の受給額を満額にすることができます。ただし60才以降も社会保険に加入する場合は「任意加入」はできないことになっています。

では「社会保険」は60才以降も加入できるのでしょうか?

答えは「加入できる」です。

社会保険は70歳まで加入することが可能です。保険料を支払えばその分「厚生年金」の受給額は増えていきます。

「いくら年金が増えるのか?」は以下の計算式で算出することができます。

「標準報酬月額(額面月収)」x0.55%x勤務月数=プラスになる年金額(年額)

額面月収が20万円で60才から65才まで勤務した場合「20万x0.55%x60か月=66,000円」となり、年額で66,000円年金が増えることになります。

ただこの「0.55%」ってなかなか覚えにくいですよね?

そこでもっと簡単にいくら年金が増えるのか、把握することができる「法則」があるのです。

年収が180万円増えると1万円年金が増える!?

それが「180万円の法則」です。

180万円年収が増加すると年金は年額1万円増えるのです。

年収が240万円の場合は

(240÷180)× 10000円 ≒ 13,300円 13,300円x5年=66,500円 

と先の「公式」で計算した結果とほぼ同じになります。

「経過的加算」で国民年金の受給額も増える!?

さてここでもうひとつお話しておかなければならないことがあります。

先ほど「国民年金の任意加入」の説明で「60才以降も社会保険に加入する場合は、国民年金の任意加入はできず、国民年金を増やすことはできない」とお話ししました。

実は社会保険は、国民年金保険にあたる「定額部分」と厚生年金保険にあたる「比例報酬部分」から成っており、社会保険料を支払うことで「国民年金」と「厚生年金」を受け取ることができる仕組みになっています。

60才以降も「社会保険料」を支払うという事は「国民年金保険料」も支払っているという事になるのです。

ただし先ほども述べました通り、国民年金に60才以降加入することはできません。

たとえば、22歳〜65歳まで会社員として働いていたとします。国民年金には38年しか加入していないこととなるため、老齢基礎年金(国民年金)は38年分しか計算されません。この場合、60歳〜65歳まで厚生年金保険に加入している期間があるため、「経過的加算」として2年分の老齢基礎年金(国民年金)の金額に相当する額が、厚生年金保険から加算されることになります。あくまで「厚生年金」に加算される、というところがキモです。

ではいくら加算されるのか?ですが、国民年金の受給額の計算式は

定額部分の金額 = 1,621円 (令和4年)× 厚生年金保険加入月数(上限480月)

となります

1621円x480か月=778,080円・・・定額部分

777,800円(令和4年)x(38年x12÷480)=738,910円・・・老齢基礎年金(国民年金)

778,080円-738,910円=39,170円・・・経過的加算

上記計算式により、「経過的加算」として厚生年金に39,170円が加算されます。

先に計算した厚生年金の増加分66,000円と合わせて105,170円が65歳まで社会保険に加入することによって増える年金額という事になります

私はこの計算結果により、「65歳まで今の会社で働こう!」と決意するに至りました(笑)

やっぱり「知る」って大事ですね!

皆さんはどう思われますか?