年金は現役世代から年金世代への「仕送り」
今の現役世代の人の中で「年金は将来もらえなくなるかもしれないから保険料は払わない」と公言する人々が一定数存在しているようです。
本当に日本の年金は将来破綻してしまうのでしょうか?
答えは「NO」です。
確かに受給額が減ったり、受給開始年齢が引き上げられることは予測されますが、年金が「なくなる」ことはありません。
それはなぜか?そこには年金の仕組みに対する世間一般の「誤解」があるからにほかなりません。
今あなたが支払っている「年金保険料」はあなたが受け取るのではなく、今現在、年金を受給している世代の年金財源となります。つまり現役世代のあなたは、年金受給者世代に対して「仕送り」をしているのです。これを「賦課方式」と呼びます。
次にあなたが年金を受け取る側になったとき、その年金の財源はあなたが現役世代の時に支払ってきた「保険料」ではなく、あなたより若いその時の現役世代が支払った「保険料」を仕送りとして受け取っているようなイメージになるのです。
つまり日本に労働生産人口が一定数存在している限り、年金が「無くなる」ことは無い、と言えます。
この「仕送り」を受け取るためには、自分も現役時代に「保険料」を支払っておく必要がありますが、実は「保険料」を支払っていない人もいつのまにか自分でも意識しないうちに「保険料」を支払っています。
これは実は「国民年金保険(国民基礎年金)」の財源の約半分は、皆さんが支払っている「税金」で賄われているからなのです。
つまり「年金保険料を払わない」人は、自分の支払った税金の中から、実際は保険料の一部を支払っているにも関わらず、自分は年金を受け取ることが出来ないのです。払うだけ払ってなにも受け取れない・・・なんだかとっても損してる、と思いませんか?
年金は「長生きリスク」に備える、国が運営するお得な「総合保険」
年金は「積立貯蓄」ではなく「保険」です。これも誤解している方が多いポイントです。
「保険」ってそもそもなんでしょう?様々なリスクに備えるために掛け金を払い「安心」を手に入れる商品ですよね。「生命保険」は早くに亡くなってしまうリスクに備え「医療保険」は病気やケガによる治療費、入院費用のリスクに備え、「自動車保険」は交通事故を起こすリスクに備える保険です。
では「年金」は何のリスクに対応できるのでしょうか?それは「長生きリスク」です。
自分は85才くらいまでしか生きられないだろうと考え、85歳までの生活に困らないだけの貯蓄を持っていたとします。ところが想定外に長生きしてしまい、生活費が底をついてしまった・・・これが「長生きリスク」です。
でも「年金」保険料を払っておけば、生きている限り一定の金額を受け取ることができ、最低限の生活は保障されます。こんな「リスク」に対応できる保険は民間の保険には存在しません。「公的年金」しかないのです。
また、「長生きリスク」だけではなく、けがや病気で働けなくなった場合は「障害年金」が支給され、一家の大黒柱が亡くなった場合は残された家族に「遺族年金」が支給されます。つまり「医療保険」や「生命保険」の機能も合わせ持っている大変お得な「保険」であるといえます。
以上の事からも年金保険料は払ったほうが断然メリットが大きい、と考えますが・・いかがでしょうか?