「親の介護が急に現実味を帯びてきた」「自分自身の将来の住まいが不安だ」。定年退職が見えてくる年代になると、このような悩みを抱える方が増えてきます。
しかし、いざ介護施設を探そうとしても「特養」「老健」「サ高住」など専門用語ばかりで、それぞれの違いが分からないという声をよく耳にします。いざという時に慌てないためには、事前の知識が不可欠です。
今回は、代表的な6つの介護施設の特徴と費用の目安を分かりやすく解説します。

1. 公的施設(費用を抑えたい・重度ケア向け)
公的施設は比較的低コストで利用できるのが最大のメリットですが、入居条件や期間に制限があります。
- 特養(特別養護老人ホーム) いわゆる「終の棲家」となる施設です。原則として要介護3以上の方が対象となります。月額費用は7〜15万円程度と安価ですが、希望者が多いため入居までの待機期間が長くなりやすいのが特徴です。
- 老健(介護老人保健施設) 「在宅復帰」を目的とした施設です。リハビリテーションを中心に行うため、原則3ヶ月程度の短期入所となります。ずっと住み続ける場所ではない点に注意が必要です。
- 介護医療院 「医療ケアと生活の場」を兼ねた施設です。経管栄養や痰の吸引など、日常的かつ継続的な医療処置が必要な重度の方が対象となります。
2. 民間施設(多様なサービス・自由な暮らし)
民間施設は選択肢が豊富で、ご自身の希望やライフスタイルに合わせた暮らしを選びやすいのが魅力です。
- 介護付き有料老人ホーム 介護スタッフが「24時間体制」で常駐している施設です。手厚いサポートが受けられますが、初期費用(入居一時金)が0円から数千万円、月額費用も15〜30万円と、施設によって価格帯に大きな幅があります。
- サ高住(サービス付き高齢者向け住宅) 高齢者が安心して暮らせる「バリアフリーの賃貸住宅」です。自立〜軽度の方に向いており、自由度が高いのが特徴です。介護が必要になった場合は、外部の訪問介護サービスなどを契約して利用します。
- グループホーム 「認知症ケア」に特化した施設です。5〜9人の少人数ユニットでスタッフと共同生活を送り、家庭的な雰囲気の中で認知症の進行を緩やかにすることを目指します。
3. 老後資金と介護施設選びのポイント
公的施設は費用を抑えられますが、順番待ちのリスクがあります。一方で、民間施設はすぐに入居しやすいものの、まとまった資金が必要になるケースが少なくありません。
「将来、どんな環境でどのような生活を送りたいか」 「そのための予算はいくらか」
これらを早い段階で把握し、資金計画を立てておくことが、ご自身やご家族の安心への第一歩です。
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