「えっ、遺族年金ってそれしか出ないの!?」

これは、私がお客様のライフプラン・シミュレーションを作成し、結果をお見せした際に一番多くいただく反応です。

『遺族年金だけではやっていけない』——残念ながら、これが多くのご家庭における現実です。だからこそ、手遅れになる前にしっかりと対策を考えておく必要があります。

最大の誤解:「夫の年金がそのまま引き継がれる」わけではない

遺族年金に関する最も大きな誤解は、「夫がもらっていた年金が、そのまま妻に引き継がれる」と思い込んでいることです。

実際の制度ではどうなるのでしょうか。妻が受け取れる「遺族厚生年金」の額は、原則として夫の「厚生年金部分の4分の3」のみです。さらに、夫の「老齢基礎年金(国民年金)」部分は丸ごと消滅してしまいます。

つまり、世帯全体で入ってくる年金収入は、多くの方が想像している以上に大きく減ってしまうのです。

収入は激減するのに、生活費は半分にならない現実

一方で、残された妻の生活費はどうなるでしょうか?

「夫がいなくなれば、生活費も半分くらいになるだろう」と考える方もいますが、これも大きな落とし穴です。

確かに食費や日用品費は減るかもしれません。しかし、持ち家の維持費や修繕費、マンションの管理費、光熱費の基本料金といった「固定費」は、一人暮らしになっても意外と下がらないのが現実です。

収入が激減する中で、これまで通りの生活水準を維持するのは非常に困難になります。

愛する家族を守るための「第一歩」とは

私自身も、60代の夫という立場にあります。だからこそ、万が一のことがあっても、妻には経済的な不安を感じることなく、旅行や美味しいものを楽しんで、ずっと笑顔で生き続けてほしいと心から願っています。

そのための第一歩は、「我が家の場合、遺族年金は正確にいくらもらえるのか」というリアルな金額から目を背けないことです。

その上で、不足する生活費を今の預貯金や生命保険でどうカバーしていくのか。元気なうちに夫婦でしっかり話し合い、情報を共有しておくこと。これこそが、残される家族への「最大の愛情」だと私は確信しています。

遺族年金の落とし穴

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