今日は、「60歳からの資産運用」について、その考え方と進め方についてお話しします。

「60歳になりました。老後資金が不安です。これから資産運用を始めても遅いんでしょうか?」という質問をよく受けます。答えは「NO」。「60歳からの資産運用」スタートは決して遅くはありませんし、資産運用ができる環境にある人は「やるべき」だと考えます。ただし、何故資産運用を行うのか、その目的を明確に持つことが重要です。

また40代の「現役期」と60代の「リタイア期」では資産運用の目的が変わってきます。

40代の資産運用は「資産の成長」を重視

40代は、まだリタイアまでに時間があるため、運用でマイナスが生じたとしても、収入の増加も見込める事から損失をカバーする事が可能で、リスクを取る「攻め」の運用が可能です。比較的リスクの高い資産クラスに投資し、資産の増加を狙うことができます。ただし「教育資金」や「住宅ローンの返済資金」は別途確保すべきです。

60代の資産運用の目的は「資産寿命」を延ばす

60代は、退職が近づく、あるいは既に退職している場合が多く、資産運用の目的は大きく変わります。
資産を大きく増やすよりも、すでに築いた資産を守ることが重要です。運用の結果、大きな損失を被った場合、今後の収入の増加は多くは見込めないため、老後資金が枯渇し所謂「老後破産」事態に陥ってしまう可能性が高くなります。リスクを抑え、資産の減少を防ぎ「資産寿命を延ばす」ための「守り」の運用が大事になります。

60代以降になると「教育費」や「住居費」が大きく減少する家庭が多くなるため、生活費も現役期と比較して減少します。今ある資産を「大きく増やす」必要性は低くなるため、リスクを極力抑え、年2~3%程度の運用成績を目指す運用スタンスでいいのです。

「購買力を維持」できれば、資産減少の「不安」から解放される

「資産寿命を延ばす」という事は「購買力を維持する」という事につながります。「購買力を維持」できれば過度な節約を行う必要性も減り、精神的にも経済的にも余裕のある老後が実現できます。孫が遊びに来た時くらいはおこずかいを渡したり、美味しいものを食べたりしたいですよね?また旅行や外食を楽しむこともできるでしょう。

年2~3%での運用ができれば、日々の生活でお金を使っても、実感として「資産が減らない」という感覚になります。使った分のお金が運用益である程度カバーできているため、こういう感覚になるのです。こうなればしめたもの、預金残高が減少していく「不安」から解放されます。

まとめ

40代と60代では、資産運用の目的が大きく異なります。40代では資産の成長を重視しつつ、教育資金や住宅ローンの返済、緊急資金の確保に注力する傾向があります。一方、60代では資産の保全と退職後の生活資金の確保を重視し、医療費や相続の準備も考慮に入れます。

どの年代においても、自分の目標やライフスタイルに合った資産運用を心がけることが、資産形成の成功につながります。初心者の方は、まずは自分の目的を明確にし、それに基づいた資産運用プランを考えてみましょう。

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