人生100年時代と言われる今日、60歳を迎えると多くの人が退職やセカンドライフの準備を始めます。ですが、資産運用の目的は単に資産を大きく増やすことだけではありません。実は、もっと大切なのは「資産の目減りを防ぎ、遅らせること」です。高齢になっても安心して暮らすためには、資産の維持・保全が重要となるのです。
1.資産の“減少”を防ぐことが最優先
若い頃は資産を増やすことに重点を置きがちですが、60歳以降は状況が変わります。年金や貯蓄を取り崩す必要も出てきて、資産が減少するリスクと向き合わなければなりません。そのため、資産を大きく増やすよりも、現状の資産をできるだけ長く維持し、減少を防ぐことが賢明です。
資産の減少を防ぐための「コツ」は、一度にすべての資産を取り崩さないこと。「毎月5万円づつ現金化する」といったやり方で少しづづ取り崩していきましょう。証券会社によっては一度設定すれば、あとは自動的に毎月一定額を売却する事が可能です。
運用をしながら取り崩しをしていく事で、資産減少のペースを遅らせる事が可能です。ペースが遅くなれば資産寿命の延長につながります。運用が想定以上にうまくいけば、「取り崩しても資産が減らない。むしろ増えた」ということも。
2. リスクを抑えた運用戦略で資産の目減りを防ぐ
高齢者にとっては、市場の変動による大きな損失は避けたいものです。株式やリスクの高い投資商品に過度に依存するのではなく、安全性の高い債券、安定した投資信託を中心に運用しましょう。これにより資産の目減りリスクを抑え、安定した収入源を確保できます。
3. 生活費を見直し、無理のない運用を心掛ける
資産を守るための運用は、無理のない範囲で継続することが肝心です。余裕資金の範囲内での資産運用を心がけ、徐々に資金を取り崩す計画を立てておきましょう。長期的な視点で少しずつ資産の“目減り”を遅らせる努力が重要です。
4. 専門家と相談しながら計画的に資産の目減りを防ごう
60歳からの資産運用は、自分一人では見落としやすいポイントもあります。ファイナンシャル・プランナーや金融の専門家と相談して、最適な資産配分やリスク管理を行うことをおすすめします。
まとめ
資産運用の本質は、大きく増やすことだけではなく、資産の“減少”を防ぎ、安心した暮らしを維持することにあります。60歳からでも始められる慎重な運用によって、長期にわたる資産の目減りを抑え、満足のいくセカンドライフを送りましょう。今こそ、資産を守るための第一歩を踏み出す時です。